射和町の文化財Cultural Resource

射和寺文書

概要

2巻41通/鎌倉時代~室町時代/射和町 個人/紙本墨書、巻子装
県指定 有形文化財(文書)(昭和47年4月1日)

 明治11年、射和寺が廃寺となったとき、竹川竹斎が北畠国司家が射和寺に与えた古文書の散逸をおそれ、射和文庫に保存したものです。巻子装で、第1巻は縦31.5cm、横960.0cm、20通。第2巻は縦26.0cm、横902.0cm、21通。

文書中、建長7年(1255)の領主・荒木田末守売券が最も古く、長禄3年(1459)の北畠教具御教書(みぎょうしょ)をはじめとした歴代国司の御教書や奉行人奉書がほとんどを占め、室町時代中期から後期にかけて、北畠国司家の権利や利益を保護するために射和寺に出されたものです。文書形式はいずれも家臣が主人の意を承って書き留める奉書形式で、国司家当主の袖判がしるされています。内容は寺領安堵や住持職承認のほか、射和市場での盗人裁許、田丸城への梵鐘借用など多岐にわたり、北畠氏の領内統治状況を語る史料となっています。