射和町の文化財Cultural Resource

延命寺山門

概要

1棟/文明15年(1483)/射和町 延命寺/切妻造、本瓦葺
県指定 有形文化財(建造物)(平成26年1月23日)

 文明15年(1483)建立、松阪最古の木造建築として歴史と風格があります。降棟の鬼瓦側面に「文明十五戌五月吉日 延命寺惣門 多気御所ヨリ建立」とへら書き銘が残されています。和様の伝統的な手法を見せる四脚門で、木割りも桃山以降のように太くはなく、破風の曲線は大きくゆったりして、装飾も少なくおとなしめ。優雅で格調高い、中世建築の技法を伝える建物の一つです。
 構架上の主要部分は欅製。本柱は円柱、その間を冠木(かぶき)で継ぎ、控柱は面取り角柱で、本柱との間を腰貫、腰長押(なげし)でつないでいます。本柱上に大斗(だいと)をおき、その上に梁行の控柱間には虹梁を渡して板蟇股(いたかえるまた)、さらに大斗肘木(だいとひじき)をのせて棟木を受けています。桁行の控柱間は虹梁を渡し、板蟇股を中備におき、控柱上の舟肘木とで軒桁を受けています。瓦に記された銘文から、享保13年(1728)に屋根の修理が行われ、瓦の葺き替えなどが行われたことがわかりますが、主要部分は室町時代の様式をよく残している建物です。
 延命寺は櫛田川左岸に所在する浄土宗の寺院。現本堂は然譽意察上人が住職を勤めた正保4年(1647)から寛文8年(1668)までの間に再建されています。